未来の海の運動会

 

7月31日、阿知須のきらら浜にて開催された「未来の海の運動会」に、YCAMチームのお手伝いとして参加してきました。

今回担当したのは、YCAMが「未来の山口の運動会」のために開発した「YCAMボール」を、民間利用を想定したアプリとしてリビルドすることです。

「YCAMボール」は、振動をカウントするアプリをインストールしたiPodを特製のビーチボールの中に仕込んだもので、各ボールのカウントをリアルタイムでホストに送ってカウントを競い合うことができるものです。

本家「YCAMボール」は、アプリがoF、ホスト側はMAXで作られており、OSCで通信する仕様でしたが、今回は「YCAMボール」を民間での利用を想定して作り直すということで、いろいろと試行錯誤を重ねた結果、AppStoreからアプリをダウンロードすれば手元のiPhoneだけで簡単に遊べるのがベストかなと思い、クライアント/ホストをひとつのアプリで運用できて、ネットワークを通じてお互いにデータを送り合うアプリを開発するには、ネットワークゲームの実装も可能なUnityで開発するのがよいと判断しました。

この民間向け「YCAMボール」では、同じアプリの中で、ホストにしたiPhoneはスコアを表示する画面とゲーム進行の管理できて、ディスプレイに映像を出力すれば本家と同じようにリアルタイムでカウントを表示することもできますし、クライアントにしたiPhoneは、状況に応じてクライアントを2〜8台くらいの幅で増減できるようにしたいと考えています。

この民間向けの「YCAMボール」アプリは、「YCAMボール」専用ビーチボールを用意してもらえば、簡単に遊んでもらえるような仕様を考えていますので、今後一般公開することができればぜひ遊んでいただきたいと思います。

民間向けの「YCAMボール」は、運用の手軽さを重視して制作しましたが、今回の「未来の海の運動会」は、割と大掛かりなイベントで、システムの問題で競技が止まるという悲惨な状態はできるだけ避けたかったので、ホスト用のアプリは別に作ってホストをノートPCで運用することにしました。

また、Wifiのローカルネットワーク内で運用するのですが、参加者や一般の公園利用者がWifiを使うことも多く、周波数帯が混雑するとゲームの進行に支障をきたすことも懸念されたのですが、そこは経験豊富なYCAMチームが機材のセットアップや電波状況の監視を行ってくれたため、とてもスムーズに運用することができました。

本番当日は、雲ひとつない晴天に恵まれましたが、この真夏の暑さでボールの中のiPodが高温になり止まってしまうものもあったため、急遽、4個の「YCAMボール」を2組用意して、状況に応じて入れ替えることができるよう準備するなど慌てるところもありましたが、簡単にクライアントを入れ替えることができる仕様だったので、そこは本当に良かったと思います。

実際の競技の中では、使用された時間が短かったので、幸い本番中には問題が起きませんでしたが、屋外で機器を扱う場合には自然環境も十分想定して準備することが大事だと改めて感じさせられました。

今回の「未来の海の運動会」では、「YCAMボール」が2つの競技で使用されて、この競技を自分たちで考えた子供たちもとても楽しそうに遊んでくれていたので、このイベントを手伝うことができてほんとうに良かったです。

今後も子供たちが喜んでくれるような仕組みをたくさん作って、山口をもっと面白くできたらと思っています。