Cone of Light
12月2日から25日までの金土日限定で「Cone of Light」を展示してきました。
「Cone of Light」は、ツリー型透過スクリーンを空中に設置して、真上からプロジェクターで、オーディオに反応する映像をツリーに投影すると同時に床面に映したオブジェクトを踏んで遊べるデジタルインスタレーションです。
ツリー型スクリーンは、八角錐状の鉄製のフレームの内側に8cm幅にカットした透過スクリーンを張り巡らせたものを制作しました。
投影する映像は、Unityで制作したアプリからリアルタイムに出力していて、投影領域の中央部分はツリーに投影するための、時間とともに色が移り変わる円形の映像で、その外側はランダムに出力した無数のオブジェクトが画面内を移動するようになっており、その上を歩く人の位置によってオブジェクトが消せる仕組みになっています。
今回、Kinectを初めて使ったのですが、UnityからKinectを直接扱える公式アセット(公式アセットに含まれるサンプルコードが有能)を利用して、深度データを使うことにしました。
取得した深度データをフレームごとにグレースケールの画像に変換し、二値化やノイズ除去、輪郭抽出など位置測定の基本的な処理をOpenCVを使って実装しています。UnityでOpenCVを使う方法はいくつかありますが、OpenCV for Unityという有料のアセットがあったのでそれを使いました。このアセットは、Unityで直接扱えるようにOpenCVをC#で記述することはできますが、ドキュメントが本家を参照するようになっていて、それがC++のドキュメントだったので、書き直しに意外と手間取らせられました。
一定以下のサイズの影はノイズとしてフィルタリングしていますが、その結果、小さい子供を認識しないという問題があり、今後の課題となりそうです。
今回の展示では様々な年齢層の方にお越しいただきましたが、中でも小学生以下のお子様には長時間遊んでいただけたのがとてもうれしい反応でした。
結果としては商業施設でインタラクティブアートを展示することの効果を自分も含めて関係者の方々に実感していただいたことが一番大きな成果ではないかと思います。